アンヂィズキット

いろんな意味で演ずるひと。 芝居・音楽・絵・言葉をサイクロン方式に小出しにして遊びます 。

シュリスペイロフ ワンマン『観音開きツアー』@扇町para-dice

本当に待ちに待ったワンマンでした。
幻のknaveからどれだけ経ったろう。
そして個人的な思い出しかない此の場所で
シュリスペイロフが存分に楽しめたのは本当にうれしかった。


空白から攻めのセトリ。
こんなにも攻めの曲があったのか!と思うくらい
でも大体とても緩急があってゆさぶられる展開に
踊らずには居られなくなる。
君と僕も健在。
その周辺からの怪しくて心地いい曲が続き
さよなら宇宙のときの照明が不穏に点滅をしてすごいよかった!
あれ最高!
ゆるくて愉快なMCではたくさん笑ったなあ。
そしてカノン。
名曲です、と一言で片付けるとなんだか安くなりそうだけど
つらつら書くよりは
たくさんに聴いてほしいとてもいい曲だと思います。
シュリスペイロフ「カノン」MV - YouTube

とても映画が似合うし、
映画的だなと。邦画のとても味のある世界を
いつも此のバンドには感じます。
シュリスペイロフの叙情的日常風景は
とくに美化されることも極めて誇張されることもなく
あるとしたら、ヒョッと紛れこんでしまった妖怪が居たりするくらいで、
それでも
ぼんやりとした人物だったりが暮らすまわりは
なんかおだやかでたまにヘンテコでぼんやりのっそりしててなんか微笑ましい。
世の中にありふれた歌詞が台詞めいたつくり言葉だとしたら、シュリスペイロフの歌詞はきっと手持ちの古い8ミリカメラで撮ったような日常の瞬間だ。
太陽が射すひかりが眩しかったり
飾らなく微笑む少女のそのままがきれいだったり
カタカタと壁に映し出されてとっておきの秘密のようにしまって、そしてたまにそっと開いて匂いを嗅ぐのだろう。
恋愛と変態は紙一重みたいに
綺麗なとこだけ抜き出した恋愛よりは
すこし滑稽なリアルはとても人間的でいとおしいのです。