アンヂィズキット

いろんな意味で演ずるひと。 芝居・音楽・絵・言葉をサイクロン方式に小出しにして遊びます 。

「『僕は暗闇で迸る命、若さを叫ぶ』モーモールルギャバン 初聴きの儀。

僕は暗闇で迸る命、若さを叫ぶ

僕は暗闇で迸る命、若さを叫ぶ

ベベッチの時ほど落ちつかず
勇ましくタワレコへゆくとすっかり諸々をみるのも忘れて
帰って来て仕舞った。


手を洗い、正座をして、深呼吸して、
さて初聴きの儀。
いちばん最初に聴いた衝動的な感想をままにつづります。
みょうちきりん表現、個人的過ぎる感想ごめんちゃい。
では参ります。せぇのっ



『スシェンコ・トロブリスキー』
一曲目から涙腺への重圧が物凄い。
どロックなバスバスドラムが進む中に
鍵盤が心のまわりを小回りしてまといつく。
展開がすごく面白くて好きだ。
ちょう個人的なことを云えばあたしが初めてバンドでやる曲をデモで作ったときと
同じリズムが差し込まれてるところにテンションをあげて仕舞う。因みに「九ツ十色」つう曲。
はーい。個人的でごめんなすって。
ロックで元気だけど
やっぱりせつなさが纏ってる。
そして
言葉がもう溢れ過ぎてどれがほんとうだかどれがなんだかよくわからない厚みを増し増し過ぎて
どう云ったらわかんなくなったぞーーーどりゃあああ的な
サビのLai La La Lai…のとこで
泣けちゃうの。
噎び泣く歓喜の。
物凄いのの幕開けを感じる。



『サノバ・ビッチェ』
此の曲は最初ラヂヲの放送で聴いた。
聴き過ぎる程に聴いた。
何故だか2回目には勝手にイエス!で右手の人差し指と親指が伸びており
数日後のロケッツの時に密かに其れを掲げていたけれども
PVを観たときは其のビンゴ具合にギャッとなったのは秘密(笑)
て云うかイエス!て此れが定番か…?
歌詞をみて、そんなこと云ってたんだ!?の連続。
いちばんびっくりしたのは「スーパー馬鹿」のくだり。
曲は本当にテンションあがる。
元気になる。
おっこちたぶん、しゃがんで高くジャンプ出来るような跳躍ソング。
ユコ・カティのVo.変化がとても素敵。
本当は気怠いより此れくらい表情がある歌い方が凄く似合うし映える。
なんにせよ。此の曲の持つぱわぁははかりしれない。



『MY SHELLY』
ナックスを少し思い出すような古めかしさが詰め込まれた曲
ベベッチで云うところの「変な人」のような
誰かを想い浮かべたすこしあまくせつない恋の唄。
後半の鍵盤三昧ないろいろが可愛い。
よくよく聴いて其処で其れを差し込んでくる照れ隠し遊び心が、っぽい(笑)
まるりんの低音コォラスはいいよね。
中盤のパシャアアンって鳴る処がいい。好き。



『僕は暗闇で迸る命、若さを叫ぶ』
此処に出てくるんだな。
タイトル曲。
すごい名曲。
まっすぐにすとれぇとに突き進む、決意のマーチ。
ユコ・カティのパァトが効果的に入ってくる。
先陣を行くひとの言葉と云うよりは
先に進みつつあるけども達観したわけではない高さのところから
おなじような道をゆくものにそっと声をかけて手を伸ばすような感じがする。
やさしくて
つよい。
ふれるかふれないかの愛がある。
とどくかとどかないかの距離にずっと愛がある。
其のいちばん不確かでもごもごした中で
声をあげている。
でも
あらげるのではなく
其れがとてもやさしくてつよいことばなのだ。



『いつか君に殺されても』
ベベッチのレコォディングの時すこしの間だけどこぞにアップされたことがあり
其れをなんどもなんども聴いていて
今回入ってとても嬉しかったのだ。
印象的だった言葉がすこし変わっている。
古い曲だからか全体的に安定してる。
シンプルだけどパワァを感じる。
ゲイリー・ビッチェの唄は此れぐらいの迫力で歌ったときに
ものすごく破壊力のある感情を魅せる。
昇華するような厳かな
でもゲェムの中のような狭さと瞬間的高さのあるゆいいつの歪さを以て。



『午前二時』
急に古めかしいPOPSのような匂いが馨る。
邦と洋を織り混ぜたような
日付変更線の真上を飛行機で飛び辿り続けているような
赤いラインを心に引いて
浮遊する
女心のようで男心な感じがする。
どっちの曲だろ。
コォラスをまるりんVerで聞いてみたい。
すこしやさしすぎるから。
最後のKeyのメロディが懐かしく遠くせつない。



『J・O・E』
タイトルと歌詞からは想像つかない曲調だった。
ピアノの重さ。いい裏切り。
ゲイリー・ビッチェのVo.がすごくいい。
なんでだろう曲調だろうか。
無理なくしっとりとする。
するりとしっくりとくる。
ユコ・カティのパァトの声が物語の台詞のようだ。
物語がほっと一息つく
戦い前夜のような
緊張の前の束の間の安堵のような。
ディストォションするのは鍵盤?
ライヴで再現出来るかな。
とても聴きたい。



『それは悲しい唄のように』
鍵盤がメロディをかっさらうところが格好いい。
讃美歌のような曲。
じんわりとしてぼんわりとして
ひくいところから
たかいあちらに
そっと思いを馳せて
でもずっと届かない
うつりゆく時間を眺めているような
牧歌的のような。



『彼と彼女の日常』
青春パンクぐらい爆弾破壊力な曲。
合間の大人で格好いい鍵盤と
赤裸裸な言葉のバランスが
危うく
本気の
スピィド感に乗って
加速して舞う中で
どちらが舞うのか舞わされているのか
判断をなくしそうになる。
でも、いいんだ。うん。



『気まぐれのように揺れる世界から』
モモルル流ロックオペラ
ドラムがスパァクして
軽い破裂をして白い煙が立ちこめる
まっしろい世界の中から
一転して鍵盤は深紅を連れてくる
細くて品のある其れは
ぐるぐると細く巻き付いて
其れからゆっくり解いてゆく。
少女の日常のひとりごとのように
ユコ・カティの声が部屋に響いて
また扉が開いてゆき
つぎの世界へとつながってゆく
人生のように
なにかは
ずっとながれてゆく
だれかのなかを通り
はじけて
まじわって
はなれては
きえて
うまれる
気まぐれのようでいて
最初から
あるべきもののような。


嗚呼、こんな風に綴じられたら
暫く放心して仕舞う。
なんだろう此れ
何聴いてたんだっけ
すっかりわかんなくなる。
すっきりしたような
さらにもやもやしたような
でもなんだ
真っ白い雲に覆われた洞穴から
スカッと突き抜けた高い高い青い空が見えるような
ああ
見えた
此処でない何処かへ
行けるかもしれない
行かなくても
行けると云う自由がある
あるんだね
そんな気がして
そして
なんだかしてやられた感がして
ちょっと
チェッとなって
にやにやしながら放心して空を眺めてるんだ。