アンヂィズキット

いろんな意味で演ずるひと。 芝居・音楽・絵・言葉をサイクロン方式に小出しにして遊びます 。

Macで動くLINEスタンプを作ってみたよ。

ユワルレでLINEスタンプを2種発売してるのだけど
動くやつも出来るようになるんだなあ
作りたいなあと思いつつ
コマ数いくついるんだろう
とかしぶってたまま放置。

実際作ってみようと思ったのはもう既に動画も音声ありもスタートしてから。
んで
作ってみようと思ったら
かなり難儀な環境だとわかった。
まずMac
其れも猫科の環境時代の、最終形でもないバーヂョン。
持ってるフォトショもイラレも指定の拡張子「.apng」で保存できない。
と思ってネトサ。
んでもなんかややこしい言語的なものあやつったり
取り込むのもやだしなあと
辿り着いたのが
9VAe(きゅうべえ)」さん。

ちょう手描き感満載なビジュアルのソフト。
使いこなせるのかなとこわごわとやってみたら
面白くてサクサク描けました。
[:W200]
(こんな感じ。ユワルレ「うごさるさ」Wピース)
んーでも
どんくさいのでLINE承認されるまで何回かやりなおしたり試行錯誤したので
同じようなとこでつまずくひとが居るのか疑問だけど
取り敢えず載せときます。


9VAeさんの特徴
・9コマまで作れる
・中間の絵を自動作成するキーフレーム補間機能がある


LINE動くスタンプの条件
・5〜20フレーム
・最大4秒


此れらの点を注意しながら、4秒の動画を作ればいいと思ってたら
思わぬ落とし穴がありました。
(※因みにコマとフレームは同じものを指す言葉らしい)


取り敢えず、2〜3秒ぐらいで、最大7コマぐらいのをいくつか作ってみました。
→まず保存

此れを選んで

▲此のウインドウが開きますが、
当然ながらapngの拡張子を選択するところがないので
初期でpngになってるところに「a」を手入力して「.apng」として保存します。
此れ毎回やることになるので結構面倒でした(笑)
「保存」ボタンを押すと次に▼此のウインドウが開きます。

LINEのガイドラインに沿ったサイズ、
「縦横比を保つ」にチェック、
「APNGループ回数」を「1」にして
「出力開始」をクリックします。

▲此の画面で「はい」をクリックすると
1つにまとまった.apng拡張子のファイルができあがります。
でも出来上がったファイル名は「Wピース.apng.png」と云う
奇妙な名前になってましたが此れでいけました(笑)


保存できたし!といよいよLINEにアップロードを試みましたが
LINEにアップロードの時点で「フレーム数が多い」と拒否られました。
どうやら補間機能を用いることで補間分勝手にフレーム数が増幅しているっぽく
(apng保存時、1ファイルにまとめ忘れたときに複数のpng画像が保存されるので大体の増幅加減がわかります 笑)
複数コマ描くときは補間機能を極力用いないように
コピペして次フレームに移行する動きをしないようにしました。
でもまあキレのある動きになったのでアリかなと(笑)


アップしてみないとOKなのかわからず
1個ずつアップして確認・修正繰り返しながら24個作りました(笑)


さあ、
承認申請出すぞ!と以前みたく数ヶ月かかったりしないと聞いて
わくわくしてたら翌日届きました!
リジェクトが(笑)其れも大量に修正が!
どうも、1コマ目で内容がわかるようにしないとダメとかで
つまりオチを1コマ目に持ってこいと(笑)
結局のところ、オチのコマを0.1秒にして1コマ目に置くことで解決しました。
此れが最終コマならループしてもおかしくはならないし。

▲こんな感じね
つうか動画の中で自由に静止画が選べたらいいのにな〜


取り敢えずこうやって試行錯誤して
無事承認されて発売中となりました〜

ゆるめに動くよ!うごさるさ - LINE スタンプ | LINE STORE

よかったら覗いてポチっと動かしてみてくださいね。
くだらないものばかりです(笑)

『何者』@toho UMEDAにて鑑賞

監督:三浦大輔
原作:朝井リョウ
出演:佐藤健有村架純菅田将暉二階堂ふみ岡田将生山田孝之


此処まで主人公に反感を持ちながら観た映画ってない気がする。
でも世の中にはいまこう云うひとが溢れてるんだろうなって思う。
いままでも本当は心の中であったことなのかもしれないけど
SNSみたいに簡単に心を曝け出せるアイテムで
いろんな見えなくていいものが可視化してる。
見えたことで其れが都合よいところにピックアップされたり
しょーもないネットニュースに利用されたり
また其れ自体も捌け口のように罷り通ってる。
或る意味地獄絵図だなあと思う。
でも
使い方だし
其れでも流されないで自分を持ってるひとは居るし
弱さにつけこまれないで居られれば便利な世だと思う。
普段の会話の中でも
失言に因って誤解を生じて関係がぎくしゃくしたり壊れたり
然う云うことって普通にあるし
其れを乗り越えてって人付き合いとか関係が作られたり繋がったり
新しく広がったりするんだと思う。
面倒くさいことを欠いたり
sideBを作ることで均衡を保ってるのだとしても
言霊は強いから
其れに呑まれて仕舞ったらどうしようもない。


主人公は結局誰ともちゃんと繋がっていなかったし
向き合ってなかった。
だから好きな女の子に思いも届かなかったし
伝えることもなかった。
本心はどこにも届いてなかった。
其れがショックだったし
ただただ虚しくなった。
いろいろ考えて仕舞ったなあ。
夢とか現実とか。
キリをつけられてしまうところに立つときのこととか。


前半は菅田将暉の音楽的スペックに圧倒された。
フォークや歌謡やラップやロックや、此の人はどんだけいろんな歌い方ができて
其れを魅せることが出来るんだろう。
芝居が上手いとしてもこんなに完全にバンドマンに化けれるひとはそう居ない。
サントラには此の曲たちは入ってないらしいけど
是非音源化して欲しいなと思った。

『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』@TOHOシネマズ梅田にて鑑賞

監督・脚本:宮藤官九郎
出演:長瀬智也神木隆之介尾野真千子森川葵桐谷健太清野菜名
   古舘寛治皆川猿時古田新太宮沢りえ 他


ようやっと上映!待ったぁぁぁ。
いろんな感覚をくすぐられつくしたよホント。
小ネタや会話の妙やくすくす笑うのに泣けてきてしまう感じがたまらんかったです。
あとあじの良さもやはしクドカン
クドカン作品の長瀬智也はほんとのびのびしてていい。
ちゃんと活かされてる感じがする。
神木くんも『11人もいる!』以来なのかな?
いつまで高校生ができるんだろう。
違和感のなさがすごいよ。

うぉぉってなるミュージシャンや文化人がちょいちょい出て来て
思わず声が漏れること多々(笑)
音楽、すごいよくて、
劇中歌のミュージカル的な流れが秀逸と思ったら中島組系の方だったり、
スラップなベースにシビレたり。
古舘寛治清野菜名さんが楽器弾けないとこから始めたとは思えないぐらいだった!
役者ってたいへん!(笑)

死んでもこわくないなあと思えたり、
でもこんなことしたら地獄に堕ちちゃうんだとか思わせながらも説教くさくなく
天国のつまらなさとか描いちゃって
「あなたがいれば 地獄も天国
 あなたがいない 天国は地獄」
て云う向井さんの名曲に集約されていて
もう刹那さにきゅうときてしまうのだった。

出てくるひとみんなかわいらしくて
気持ちにまっすぐでピュアで
無駄な思いとかなくて、
まっすぐな強さとか
ひとつのことを思い願う太さとか
なんか忘れてた目線の高さと云うか
はっとすることがたくさんあった。

あー。楽しかった。
観落としたところを回収しにまた観たいなと思った映画でした。

『二重生活』@シネリーブル梅田にて鑑賞

監督:岸義幸
出演:門脇麦菅田将暉長谷川博己リリー・フランキーetc


人間はなんのために生きるか、
なんて考えたこともなかった。
感情にしか興味がないからかもしれないけど
哲学とはよく見えないから近づくと云うか
もっと見たいのでめくると云うか
なんだかあけすけな欲求のような気がしてきた。
勿論、よくわからないことを探求すること、明白にすることは
悪いことではないけれど、
踏み入らなくていいところをまるはだかにしてしまうことは
「哲学」と云う一見格好いいような語感盾に隠れているだけで。
感情ばかりを重視してきたわたしには
人間は自分の中心にある自分でもわからない本心のまわりに
幾重ももやもやした感情が綿菓子みたいにまとわりついていて
其れは、見栄だったり欲だったり恥じらいだったり思いやりだったり
また別の思惑が重なっていたり
ひとに因って複雑さはちがっていて、
よく見えないのがふつうだと思うし
わからないから好きなひとのことを知りたいと思うし、
自分を探求するときも其れらを少しずつ取り除いて少しずつ知っていくのがいいと
思っていた。
はた。此れも哲学と云うのだろうか。
でも、其れは普通に人間の成長の過程だと思うのだけどどうだろう。

理由のなかった尾行にはまっていくことで
特別視して仕舞っていたり自分の感情と絡まっていく。
主人公は其れで自分の人生の足りない部分が満たされたと云ったけれど
其れは多分普通にひとびとが映画をみたり本を読んだり、音楽を聴いたり
テレビで誰かの人生を垣間見たり、
然う云う満たされ方なのだと思う。
若しくは、使命感のような理由。
いけないことの理由をもらって、のめりこんでいく感じ。
思い込みも此の類いなのかもしれない。

きっと何のために生きてるかなんて本当には答えは出ないし、
探したり知ろうと動いていることが生きている糧だったりするのだし、
もし達観したつもりで其れ以上無いと思い込んでしまったり、
苦し紛れに答えを出してしまうと、
生きている意味を見失って仕舞うのかもしれない。
わからないことってきっと大事なんだと思う。


『共喰い』のふたりだーとか
海月姫』のふたりだー水族館だー
とか思ったのはエンドロールがだいぶ過ぎて
頭がフラットになってからだった。
門脇麦菅田将暉の演技が無造作でよかった。
演技の中には無駄なものがなくて
言葉がなくても明確な感情が見てとれた。
いい作品でした。

『リップヴァンウィンクルの花嫁』@梅田ブルク7にて鑑賞

監督:岩井俊二
出演:黒木華Cocco綾野剛 ほか


劇場で観るのは『リリィ・シュシュのすべて』以来かな。
岩井作品は短編のものが好きで当時ビデオだったり、サントラ聴きまくってた。長編では『Love Letter』。あれ台詞覚えるぐらい観たなあ。
てことで
すっかりおとなになった今、久々の岩井ワールドへどぷりしに行った。


例えばSNSが未だなかった頃なら
云わなくていいことを云わない力ってもっとあったはずだし
自分だけの日記にしたたためたり
たまに友だちに電話して憂さ晴らしたり
たぶん健全な浄化がされていたなあと
遠い目をして懐かしく思う。
架空のなまえをして
漂うようにしてつぶやかれた心の声は
誰にも届かないようでいて
遡って読めて仕舞うし
瓶に詰めて流れてったように誰かによって開かれる。
真白がその声を見てしまったのは
出会ったあとなのかな
それともランバラルが目にとめて
そこから繋げられたのかな。
にしても
其の出会いはきっと必然だったのだろう。
あの計画がどこからが其れの為だったかはわからないけれど。
物事の視点を変えることや
一面を知らないことで、
生み出されることばや出来事は
まったくちがう意味になるし
悪いひと になるひとは
ちがってくる。
真実を知らないのは不幸なのかもしれないと思っていたけれど
然うではないんだなと
じわじわとあとから感じてくるのが不思議だった。

真実は解釈に因る。
ついていい嘘がある。
きれいごとのようでいて
なんだかとても核心を突いている。
嘘のしっぽはするするとして
全然捕まえた感覚はないのに
あとからあとからじわじわとやってくる感じが
此の映画からした。

ねこかんむり。
ねこをかぶる。
ねこをかぶって嫁に行っても
きっと隠してるものはいつか見えてしまうのだろうし
その不安や曖昧な感情は何かの瞬間に
いたずらに火を点ける材料になって仕舞う。
ひとが抱く印象だったり
それが意図しないものだとしても
あの真っ白いねこかんむりは
相手に因ってちがう顔にうつるんだろう。

つのかくしの由来はなんだっけ。
角が出ないようにするのか、
取り敢えず嫁の何かを封じるような意味合いだった気がする。
其れに似たねこかんむり。
誰もがちょっとかわいくねこをかぶってみるように
軽い嘘をついたり
偽ったり
別のひとになってみたりする願望のようなものと、
其れでも通じ合う本当を探してるような
隠れているけど見つけてほしいような
そんなちょっとひねくれたようでいて
いまの世の中にはふつうみたく成り立ってる関わり方を
皮肉ったようにも思えてきた。
形式の滑稽さとか
友情とか愛情とか男女の区別とか
そこに本当がなければ
嘘なんだなと。
そこに本当があれば
愛なんだなと。
そんなことを改めて思った映画でした。