アンヂィズキット

いろんな意味で演ずるひと。 芝居・音楽・絵・言葉をサイクロン方式に小出しにして遊びます 。

『何者』@toho UMEDAにて鑑賞

監督:三浦大輔
原作:朝井リョウ
出演:佐藤健有村架純菅田将暉二階堂ふみ岡田将生山田孝之


此処まで主人公に反感を持ちながら観た映画ってない気がする。
でも世の中にはいまこう云うひとが溢れてるんだろうなって思う。
いままでも本当は心の中であったことなのかもしれないけど
SNSみたいに簡単に心を曝け出せるアイテムで
いろんな見えなくていいものが可視化してる。
見えたことで其れが都合よいところにピックアップされたり
しょーもないネットニュースに利用されたり
また其れ自体も捌け口のように罷り通ってる。
或る意味地獄絵図だなあと思う。
でも
使い方だし
其れでも流されないで自分を持ってるひとは居るし
弱さにつけこまれないで居られれば便利な世だと思う。
普段の会話の中でも
失言に因って誤解を生じて関係がぎくしゃくしたり壊れたり
然う云うことって普通にあるし
其れを乗り越えてって人付き合いとか関係が作られたり繋がったり
新しく広がったりするんだと思う。
面倒くさいことを欠いたり
sideBを作ることで均衡を保ってるのだとしても
言霊は強いから
其れに呑まれて仕舞ったらどうしようもない。


主人公は結局誰ともちゃんと繋がっていなかったし
向き合ってなかった。
だから好きな女の子に思いも届かなかったし
伝えることもなかった。
本心はどこにも届いてなかった。
其れがショックだったし
ただただ虚しくなった。
いろいろ考えて仕舞ったなあ。
夢とか現実とか。
キリをつけられてしまうところに立つときのこととか。


前半は菅田将暉の音楽的スペックに圧倒された。
フォークや歌謡やラップやロックや、此の人はどんだけいろんな歌い方ができて
其れを魅せることが出来るんだろう。
芝居が上手いとしてもこんなに完全にバンドマンに化けれるひとはそう居ない。
サントラには此の曲たちは入ってないらしいけど
是非音源化して欲しいなと思った。