アンヂィズキット

いろんな意味で演ずるひと。 芝居・音楽・絵・言葉をサイクロン方式に小出しにして遊びます 。

『プルートゥ』@森ノ宮ピロティホール

出演:
森山未來<アトム>、土屋太鳳<ウラン/ヘレナ>、大東駿介<ゲジヒト>
吉見一豊<お茶の水博士、ルーズベルト声>、吹越満<アブラ―>
柄本明<天馬博士、人殺しロボットの声>
ダンサー:
上月一臣、大植真太郎、池島優、大宮大奨、渋谷亘宏、AYUMI、湯浅永麻、森井淳、笹本龍史
原作:浦沢直樹×手筭治虫 長崎尚志プロデュース
演出・振付:シディ・ラルビ・シェルカウイ


生活変わってから舞台観に行くの久々でした。
ダンスの先生が出演していることもあって、
今回はえいやっとチケを取り馳せ参じてまいりました。


休憩はさむ3時間大作系は結構苦手だったりするのだけれど
色々と見所があり、オペラグラスを持参しなかったことを悔いました。
嗚呼そうだった、先行以外で取ると本当に見えない・聞こえないになるので
小劇場以外での公演モノを観なくなっていたのだった。
自分の視力を恨みながらありったけに見開いて凝視。
ダンサーさんたち髪型似過ぎ!(笑)
取り敢えず体のフォルムで(←)先生を探してました。
然うしてたら他の人を結構見逃すのよね、舞台って。
そうだったそうだった。


見逃し過ぎた森山未來欲を満たしたのはゲジヒトを演じた大東駿介だった。
もうあまりにもちゃんと役者さんの大東氏を観てきてなかったので
結構に引き込まれた。
なんせ先輩ROCKYOUと勇者ヨシヒコでの記憶しかないから(笑)
上野樹里似のひとだなあ、双子役やらないかなあくらいの認識だったから(笑)
しっかりと安定した若きゲジヒトだった。
此の作品、初見で大東氏のゲジヒトでよかったなと思った。
其れから土屋太鳳のヘレナ。
鈴木先生』の時から大人びた落ち着きを醸すひとだったけども
演じ分けで特にヘレナが目を引いた。
思ったよりダンスのパートは少なかったように思うけれど
芝居の部分で目を引いた。
柄本明のロボットの喋り方も味があって好きだったなあ(笑)


美術や演出がとても素晴らしかった。
ダンサーさんたちはもうダンサーだけでないし
演者であり役者であり魅せる裏方だったりした。
然う云う意味でも、
人間か、人間でないか、
テーマになる線引きの無意味さを感じさせた。
ヒトもロボットも、想いがあればそう変わりはなく
感情は記憶として積み重なり成ってゆく。
ロボットがなんの為に生まれたのかを考えるのは
ひとが行き詰った時にぶつかる疑問、自分はなんのために生まれてきたのか、
に然う違いはない。
ひとつの動きにさまざまな意味があるみたいに
ひとりのロボットに何人かが役割を以って操る。
不可視な感情の成り立ちを観ているかのようだった。
あの複雑な動きはとても素晴らしく、
あちこちを凝視して何回も観たいぐらい興味深いものだった。


終盤の対決の気泡のようなものにのまれる?のりこむ?ところの演出が
すごく好きだった。
漫画ありきの投影と立体から生まれた躍動だった。