アンヂィズキット

いろんな意味で演ずるひと。 芝居・音楽・絵・言葉をサイクロン方式に小出しにして遊びます 。

水曜日のカンパネラ「IN THE BOX TOUR」@Zepp Osaka Bayside

『SUPERMAN』と云う格好いいアルバムが発売された、
けど武道館ライヴがあったっきりレコ発ライヴがなされなかったので
結構に聴き込んだのちのワンマンライヴだった。
其の後リリースされてる『嬴政』や『メロス』なども含んだ新しいめの曲中心のものになっていた。
まあリード曲的な『アラジン』はなかったものの
『SUPERMAN』からも多数選曲されたセトリだった。


雲の糸が伸び、深い森のなんらかの巣のようなセット。
青と緑と紫と。
水の音、鼓動、
本編もずっと水の中に居るような感覚になる様々な技巧がされた。
いつもの中に入って歌う透明なボウルですら
泡のひとつのようだった。
照明さんが両サイドで縦横無尽に撃つように光線を放ち、
光は強く乱反射した。
幕は薄く光を通し、風を描き、影を映した。
コムさんが其れと戯れ操り、
フロアに居るひとの頭上にまで其れが波打ち進み、
膨らみ、たゆたった。
今までのやれ風船が、招き猫が飛んでくる、とは違った
ちゃんと意味を持った演出だった。
魅せる、
まっすぐと遠くを見据えて言葉を放ち、踊る彼女はモーゼのようだった。
相変わらず
フロアをあちこち移動してのライヴだったけれど
其の全部がきちんと演出されたように完璧にはまっていた。
此れが今やりたいことなんだろうな
と思える、ゆるさとか笑いを封印したステェヂだった。
彼女は凛と立っていて
もう疲れたよと云うこともなかった。
懐かしいけどね(笑)
一段階上へ行って仕舞ったような
でも其れで
観て居る方もちゃんと然う云う心構えで受けるところがいいなあと思った。
非常灯を消しての演出だのでスマホは勘弁とは思ったけども。
まあ、まあ。
其れにしても見応えがあったので
満足して会場をあとにした。
終わり方も不思議な感じで
ポンと栓を抜いたように自然とみんなが出て行く感じだった。
流れるような。
ふしぎな水体験だったな。