アンヂィズキット

いろんな意味で演ずるひと。 芝居・音楽・絵・言葉をサイクロン方式に小出しにして遊びます 。

『ここは退屈迎えに来て』@梅田ブルク

監督:廣木隆一
出演:橋本愛 門脇麦 成田凌 渡辺大岸井ゆきの


「ここ」は自分の中だった。
実体は違えどみんな何処か似た人物のように思えた。
他人によって自分の存在価値を見出したり、
他人に確認されて支えられ立っているような。
誰しも然う云う部分はあるけれど
其処に比重をおいた人物たちをばらばらと線を結び
ひとつの絵を描いたようなお話だった。
退屈と云うざわざわした不安から抜け出せずに
迷路をぐるぐる交錯して出来た絵。
全員が、誰も誰にも触れていないように見えた。
触れられたと思ってたことは気の所為だったり。
夢の大きさは、他人の夢と比べて仕舞うから成るものだし
人の立場になれば ああ然うだね で済むことが
納得できなくて済まない人ばかりだった。
そんな自分の窪みにはまってしまったひとびとが
狭いところでじたばたして歌い出すのが
フジファブリックの「茜色の夕日」。
茜色の、志村のパワーを感じた。
歌で散らばったものを拾い縫い止めていったような。

個人的に、
なっちゃん役の片山友希さんの演技がとても良かったです。