アンヂィズキット

いろんな意味で演ずるひと。 芝居・音楽・絵・言葉をサイクロン方式に小出しにして遊びます 。

「白の存在。」(2007年09月22日の記述)

白と云う色は
プリンタに於いて存在しない。
存在しないと云うか
なし
と云う定義になっている。


白はなしではない。
なしは透明である。


でも
印刷する対象が元々白いと云う一般的な状況に於いて
もともとの色を活かす
と云うのはわかる。
でも
透明ではないのだ。


白の存在は見えなくはない。
白と云う色は
みんな知ってる
ちゃんとした色のひとつだ。


よく
「頭が真っ白になった」
と云うけれど
あれはあたし的には
真っ白なペンキが上からだぁぁと一気に落ちて来た壁が
四方を取り囲み、天辺をも塞がれて、圧迫して
其の圧力で
「うわー」
となると思ってた。
然し
よくよく使用者を観察してみると
なんにもなくて、其の中を
そよ風なんかが吹いてたりする
「えへへ、あたままっしろー」
てのがあって、
其れは透明っつうんだよ
と思う時がある。


黒が、
単に一色で黒なのか
いろいろ鮮やかで綺麗な色が混ざり合い過ぎて出来た黒なのか
だったりするように


白は、
もともとの色でそのままのままの白なのか
他の色に影響を与えられ易いのに白であることを守り続ける白なのか
なにかいろいろがいろいろだから其れを隠す為に塗られた白なのか
種類があると思う。


筆を用いてインクで描く時は白はのびのびとしている。
他と同じように
ひとつの色として
それも
どの色とも巧く馴染んで
其の色の良さを1から10まで知ってるように
細やかだ。


白はやさしい。
無にされてない白はやさしい。


白は嘘をつかない。
でも
何か大事なものを守る為に
自らを楯にすることはある。
其の時はきっと
物凄く覚悟と潔さと正しさを以て
つく嘘なんだと思う。


だから
白々しい嘘なんて
本当は
存在してはいけない。
白ばっくれても
白を切っても
多分
雪の白さぐらいでは
いつか溶けて
全貌が見えるだろう。
全貌が見えてよい風情のものならよいけれど
白けてしまうようなものは
見たくない。


でも
白は無でないのだから
目を反らしてはいけないのだ。


白をなしにはできないのだから。